
ハザードマップだけでは足りない?不動産購入前に確認したい「災害リスク」と火災保険

「この家、駅も近いし良さそう!」
「間取りも気に入ったし、ここにしようか?」
マイホーム探しをしていると、価格や間取り、駅までの距離など、ついつい目立つところからチェックしてしまいますよね。
でも最近、大雨や台風、地震などのニュースを見て、「この場所って、災害は大丈夫なのかな?」
と気になったことはありませんか?
実際、2026年8月にも大雨による被害が相次ぎ、国土交通省が被害状況を継続して公表しています。
不動産は、簡単に買い替えられるものではありません。
だからこそ、購入前に
「この場所で、どんな災害が想定されているのか」
だけでなく、
「実際に過去、どんなことが起きているのか」
まで確認しておきたいところです。
今回は、不動産を購入する前に確認しておきたい災害リスクについて、
①ハザードマップ
②冠水履歴
③火災保険
の3つに分けて、できるだけ分かりやすくご紹介します。
まずはハザードマップで「想定される災害」を確認
不動産を探すとき、まず確認したいのがハザードマップです。
ハザードマップは、簡単にいうと、
「この地域で災害が起きた場合、どんな被害が想定されるのか」
を地図で確認するためのものです。
国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、洪水や土砂災害、高潮、津波などの災害リスクを地図上で確認できます。複数の情報を重ねて見ることもできます。
不動産購入前なら、少なくとも次のような項目を確認しておきたいところです。
洪水
河川が氾濫した場合に、どの程度の浸水が想定されているのかを確認します。
内水
「川から遠いから水害は大丈夫」とは限りません。
短時間に大量の雨が降ると、下水道などの排水能力を超えて雨水があふれる内水氾濫が起こることがあります。
日本損害保険協会も、河川から離れた都市部で起こる内水氾濫を水災の一つとして紹介しています。
土砂災害
山や斜面の近くで不動産を探している場合は、土砂災害警戒区域なども確認しておきましょう。
でも、ハザードマップだけで終わらせない
ハザードマップを確認したら、もう一歩進んで、
「実際にこの場所では、過去に何が起きたのか?」
も確認してみましょう。
そこで参考になるのが、冠水履歴です。
ハザードマップが、
「この場所では、このような災害が想定されています」
という未来のリスクを考えるための情報だとしたら、
冠水履歴は、
「実際に過去、この場所では冠水が発生しました」
という過去の実績を知るための情報です。
もちろん、過去に冠水したからといって「今後必ず冠水する」という意味ではありません。
それでも、物件を選ぶときの重要な判断材料にはなります。
「道路冠水図」も確認してみよう
草加市では、過去の台風や集中豪雨によって発生した道路冠水をまとめた道路冠水図が公開されています。
2026年8月6日に更新され、概ね過去10年の記録が掲載されています。
ここで面白いのが、
「ハザードマップには何が書いてある?」
だけではなく、
「実際に大雨が降ったとき、この地域ではどうだった?」
という視点を持てることです。
ただし、草加市も注意書きをしているとおり、道路冠水図はすべての冠水を網羅したものではなく、実際の浸水範囲と一致しない場合もあります。あくまで確認材料の一つとして利用しましょう。
「物件の場所」だけでなく「周辺の道路」も見てみよう
不動産の災害リスクを考えるとき、建物が建っている場所だけを見るのは少しもったいありません。
例えば、
- 自宅前の道路
- 駅までの道
- 子どもの通学路
- スーパーまでの道
- 駐車場への出入り口
- 周辺の低い道路
なども確認してみましょう。
家そのものが浸水しなくても、
「家の前の道路が冠水して車を出せない」
ということは考えられます。
特に小さなお子さんがいるご家庭なら、災害時にどこへ避難するのかだけでなく、
「そこまでどうやって移動するのか」
まで考えておくと安心です。
ハザードマップと冠水履歴は「どちらか」ではなく両方見る
ここまでを簡単に整理すると、
| 確認するもの | 分かること |
|---|---|
| ハザードマップ | 災害が起きた場合の想定 |
| 冠水履歴 | 過去に実際に起きたこと |
| 現地確認 | 道路や周辺環境の状態 |
| 火災保険 | 万一の被害への備え |
という関係です。
どれか一つだけで判断するのではなく、
「想定」+「過去の実績」+「現地」+「保険」
と重ねて考えることが大切です。
ただし「水災補償は絶対付ける」でも「外せば節約」でもない
ここで覚えておきたいのが、
「火災保険=火事だけの保険」ではない
ということ。
火災保険には、商品によって火災だけでなく、風災や水災などを補償するものがあります。日本損害保険協会も、火災保険にはさまざまな補償タイプがあり、水災を補償する商品があると説明しています。
つまり、大雨や洪水などのリスクを考えるなら、
「この家には水災補償が必要なのか?」
も考えておきたいところです。
ただし「水災補償は絶対付ける」でも「外せば節約」でもない
ここは注意したいところです。
保険料を抑えたいからといって、とにかく補償を外せばいいわけではありません。
逆に、
「心配だから全部の補償を付けておこう」
と考えればいいわけでもありません。
大切なのは、
その物件に合った補償を考えること。
例えば、同じ地域にある不動産でも、
- ●戸建てなのか
- ●マンションなのか
- ●何階なのか
- ●周囲より土地が高いのか低いのか
- ●洪水や内水のリスクがあるのか
- ●過去に冠水が発生しているのか
によって、考え方は変わります。
マンションなら「何階に住むか」も保険を考える材料になる
同じ建物でも、1階と高層階では水災について考えるポイントが違います。
低層階なら、
「もし周辺が浸水したら、専有部分への影響はどうなる?」
と考える必要があります。
一方で、高層階では、床上浸水による直接的なリスクが低くなる場合があります。
そのため、
「水災補償を付けるのか、付けないのか」
を検討する余地も出てきます。
ただし、
「高層階だから水災補償はいらない」
と一律に決めるものではありません。
火災保険の補償内容は商品によって異なりますし、マンションの場合は専有部分だけでなく、共用部分や建物全体の保険についても考える必要があります。
だからこそ、
「物件を見てから保険を考える」
という順番が大切です。
同じ「マンション」でも、必要な備えは違う
例えば、
低層階のマンション→水災リスクをより慎重に確認。
高層階のマンション→水災による直接的な浸水リスクだけでなく、停電やエレベーター停止なども含めて考える。
戸建て→建物だけでなく、土地・周辺道路・床の高さなども確認。
このように、
「火災保険は何を付けるか」ではなく、「この物件ならどう備えるか」
と考えると分かりやすくなります。
国土交通省の資料でも、水災補償は任意で付帯する形で提供されており、水災リスクを考慮した保険料設定が行われていることが紹介されています。
災害リスクを見たら「買わないほうがいい」の?
「じゃあハザードマップで色が付いている物件は買わないほうがいいの?」
と思うかもしれません。
でも、必ずしもそうとは限りません。
不動産を探すとき、
災害リスクが完全にゼロの場所を探す
というのは現実的ではありません。
大切なのは、
「どんなリスクがあるのかを知らないまま買う」のではなく、「リスクを知ったうえで、自分たちに合った備えができるか」を考えること。
例えば、
「この地域は内水のリスクがある」
と分かったら、
- 避難場所を確認する
- 避難経路を確認する
- 車の避難場所を考える
- 火災保険の水災補償を検討する
というように、具体的な対策を考えられます。
知らなければ何もできません。
でも、知っていれば準備できます。
不動産購入前に確認したい「災害チェックリスト」
気になる物件が見つかったら、次の項目をチェックしてみてください。
場所について
- □ 洪水ハザードマップを確認した
- □ 内水ハザードマップを確認した
- □ 土砂災害のリスクを確認した
- □ 周辺の土地の高さなどを確認した
過去の災害について
- □ 過去の冠水履歴を確認した
- □ 物件前の道路を確認した
- □ 駅・学校・スーパーまでの道路も確認した
保険について
- □ 火災保険の補償内容を確認した
- □ 水災補償が必要か検討した
- □ 戸建て・マンション・階数など、物件に合わせて補償を考えた
家族について
- □ 避難場所を確認した
- □ 避難経路を家族で確認した
- □ 災害時の連絡方法を決めた
災害リスクを確認することは、「怖がること」ではありません。
家を買うときは、
「駅から何分?」
「何LDK?」
「月々いくら?」
ということが気になります。
もちろん、それも大切です。
でも、そこにもう一つ、「この場所で安心して暮らせるかな?」
という視点を加えてみてください。
ハザードマップを見る。
過去の冠水履歴を見る。
実際に周辺を歩いてみる。
そして、その物件に合わせて火災保険を考える。
これだけでも、家選びの見え方はかなり変わります。
災害リスクをゼロにすることはできません。
だからこそ、
「知らずに買う」のではなく、「知って、備えて、納得して買う」。
これが、不動産購入では大切なのではないでしょうか。
気になる物件があったら、災害リスクも一緒に確認してみませんか?
「この物件、ハザードマップではどうなっている?」
「過去にこの周辺で冠水したことはある?」
「戸建てとマンションで、保険の考え方はどう変わる?」
そんな疑問があれば、購入を決める前に一つずつ確認しておきましょう。
LINE不動産では、ネットやチラシなどで見つけた物件や、他の不動産会社から紹介された物件についても相談できます。
気になる物件があれば、物件情報をLINEで送ってください。
価格や間取りだけでなく、ハザードマップや周辺の災害リスクなども確認しながら、納得できる住まい選びを一緒に考えます。
もちろん、災害リスクを確認した結果、
「この物件はやめておこう」
となっても大丈夫です。
家は高い買い物だからこそ、メリットだけでなく気になるところも確認してから決めていきましょう。
